マイナンバーカードの利活用について
 2022.12.30

2016年から交付が開始されたマイナンバーカード。運用開始から現在は6年が経過されましたが、現在の普及率はついに6割を超える様になりました。実際に現在の普及率が確認できるデータとして、デジタル庁では12月19日に「政策データダッシュボード(ベータ版)」というオープンデータの行政情報の公開を始めました。

出典:デジタル庁ウェブサイト(https://www.digital.go.jp/resources/govdashboard/

此方のダッシュボードではマイナンバーカードの発行枚数、健康保険証との紐づけ数、公金口座の登録数等が週次や累計データとして確認できるものとなっています。

実際に、マイナポイント第2弾がスタートした6月末では累計交付枚数が57,191,230件(6月26日時データ)に対し、12月現在では70,206,272件(12月18日時データ)と大幅に増加しています。

この様に、マイナンバーカードの普及に伴い、様々な自治体でマイナンバーカードの利活用が始められていますので事例として紹介致します。

参考:各自治体ウェブサイト

①避難所の入退所受付(新潟県三条市)

過去の災害では避難者名簿の入力作業を限られた職員で行っていたため、膨大な時間を要したほか、手書きの名簿は名前や住所が不明瞭で入力作業が難航し、迅速な安否確認に支障がありました。そこでマイナンバーカードの利活用として、マイナンバーカードの顔写真で本人確認し、読取機にマイナンバーカードをかざして該当世帯員を表示。職員が聞き取りにより、入退所の世帯員の全員を受付け、必要により本部等で避難者名簿を出力。同時に申請書を自動作成し、該当世帯や家屋の罹災証明を発行可能とするシステムを構築。これにより、効率的かつ的確な安否確認を実現しました。

②券面情報による申請書自動作成サービス(兵庫県姫路市)

市役所窓口で住民票等の発行を申請する場合、紙の申請書を必要な枚数分記入する必要がありましたが、マイナンバーカードに標準搭載されている券面事項入力補助アプリケーション(AP)を利用して、 氏名・住所・連絡先等の必要事項が記入された申請書等を自動出力するシステムを構築しました。これにより、複数の申請書へ必要事項を記入する手間が不要となり、窓口での手続の簡素化と事務の効率化に繋がる様になりました。

③高齢者等の移動支援(マイタク制度)(群馬県前橋市)

マイタク制度とは、平成28年に導入した自家用車に頼ることができない高齢者等の移動困難者へのタクシー運賃補助制度として、利用者登録等を行うことで利用者へ登録証と利用券が発行され、タクシー利用時に提示することで運賃補助を受けることができる制度です。従来までは、毎月2.5万枚に及ぶ利用済利用券の回収、利用実績の入力・確認等の膨大な事務負担等がタクシー会社及び市役所に発生していましたが、紙の登録証や利用券に代わり、マイナンバーカードを利用することで利用者は、タクシー内のタブレットにカードをかざすだけで、サービスを受けることができる様になり、市役所やタクシー会社の事務経費の削減及び効率化にも繋がる様になりました。

さらに、政府はマイナンバーカードとSuicaなどの交通系ICカードを連携させ、自治体による公共交通の住民割引等を行うサービスを全国で推進する方針を決めました。これにより、③の事例で紹介したマイタク制度の様な交通機関の割引きを近いうちに、あなたの自治体でも利用できる様になるかもしれません。

また、詳細な日付はまだ決定しておりませんが、2024年の秋からマイナンバーカードと健康保険証が一体化し、紙やプラスチックカードの健康保険証は廃止にする方針も政府から発表されており、今後もマイナンバーカードの利活用がますます増えていくと思われます。本コラムが、皆様にマイナンバーカードについて“理解”や“興味”を示してもらう一助になれば幸いです。

自治体関係者の方々は、自治体向けサービスとして交付管理システムでの援助も当社で承っています。興味がございましたら、そちらのページもご確認してみて下さい。

カテゴリー:KANTEC UPDATE