こんにちは。BPOサービスを提供するカンテックのライターチームです。RPAやDXという言葉を聞いたことのある人は多いのではないでしょうか。一方で、正確な意味や2つの言葉の違いを答えられない人もいるでしょう。この記事ではそれぞれの意味や違い、RPAを活用してDXを成功させるポイントなどを解説しています。自社の業務効率化を実現するために、ぜひご覧ください。
RPAとは
RPAとは「Robotic Process Automation」の略称です。ロボット技術を活用し、人間が行う定型的な業務を自動化する技術を指します。企業においては、RPAを活用することで業務効率が向上し、コストの削減にもつなげることも可能です。
またRPAの活用によって、ユーザーがパソコン上で行うデータ入力や転記作業、データの集計作業、ファイルのダウンロード・アップロード、メールソフトの操作記録といった業務を自動化できます。
DXとは
DXとは「Digital Transformation」の略称で、ストルターマンというスウェーデンの大学教授が2004年に提唱した概念です。
この概念は、企業がデジタル技術を活用することにより、ビジネスモデルや業務プロセス、企業文化、顧客体験などを根本的に変革し、競争力を強化する取り組みを指します。業務のIT化だけではなく、ITの活用により業務を大幅に効率化して、企業全体の変革を目指します。
RPAとDXの違い
RPAは定型的な業務を自動化する技術です。RPAの活用は、業務効率の向上だけではなく、ヒューマンエラーの軽減やコスト削減に有効です。一方、DXとは、デジタル技術の活用によって、企業全体のビジネスモデルや業務プロセス、企業文化を変革する取り組みを指します。
DXの手段としてRPAが利用されるケースが一般的で、DX推進の初期段階やプロセス改善の一環で導入されます。つまり、RPAはDXを支えるツールの1つといえます。
RPAが必要とされる理由
RPAが多くの企業で必要とされている理由は、少子高齢化によって人手不足が深刻化しているためです。企業には一定数の単純作業が存在するため、人手不足を補う手段として、24時間365日の稼働が可能なRPAが注目されています。
また、RPAは働き方改革の実現においても必要とされています。RPAは業務効率化に役立つことから、残業の削減や長時間労働をなくすための解決策としても有効であるためです。
RPAを活用するメリット
RPAを活用することでどのようなメリットを得られるのか、おもな4つのメリットを解説します。
業務効率化による生産性の向上
RPAは繰り返しのタスクや定型的な業務を自動化できるため、業務効率が大幅に向上します。RPAを活用することで、データ入力や請求書処理といった、労力と時間がかかる業務を自動化でき、付加価値の高い業務に集中できます。結果として、業務全体のスピードが上がり、生産性を向上させることが可能です。
人的ミスの改善とコスト削減による品質向上
RPAはデジタル技術であるため、作業の正確性が高く、手作業による人的ミスを大幅に減らせます。入力漏れや入力間違いといった、人的ミスが引き起こすエラーの確認・修正作業にかかるコストも減らせます。また、24時間365日稼働可能なRPAを導入すると、夜間や早朝、週末の業務も自動化できるため、人件費の削減が可能です。
業務の見える化による改善点の明確化
RPAを活用して業務を自動化することで、業務の流れを可視化できます。業務の可視化によって、進行状況やボトルネックも把握でき、業務フローの改善点が明確になります。また、業務の自動化は、属人化の解消にもつながります。さらに、退職や求職、産休・育休などで人材が不足している場合の解決策としても有効です。
コア業務へのリソース投下
RPAを導入することで定型業務を自動化でき、利益を生み出すコア業務や、今まで取り組めなかった業務に人材を割り当てられます。コア業務に集中して取り組むことができれば、生産性の向上につながり、会社全体の業績にもよい影響をもたらします。また、コア業務へのさらなるリソース投下も可能になるでしょう。
RPAを活用するデメリット
デジタル技術は利便性が高いものの、RPAにはデメリットもあります。ここでは、3つのデメリットについて解説します。
業務停止のリスクがある
RPAは、オンラインまたはシステム上で稼働するデジタル技術です。そのため、システム障害やバグが生じると、作業が中断する可能性があります。
また、サーバーの能力を超える動作を実行すると、サーバーがダウンします。それまでの作業データが消滅するリスクもあるため、RPAの導入にあたっては、大容量のサーバーを用意しなければなりません。サーバー環境を万全に整えて、安心して運用できるようにしましょう。
業務がブラックボックス化する
RPAを導入すると、人間が業務に携わる必要がなくなります。異動や退職などで、業務内容や業務フローを把握している人材がいなくなると、ブラックボックス化する可能性があります。そのため、RPAの導入時には、処理内容を確認できる資料を残しておくのがおすすめです。
また、マニュアルも作成するとよいでしょう。マニュアルがあると、業務を見直す場合やトラブルの発生時に、情報共有がスムーズになります。
誤った処理も実行される
RPAは作成したシナリオに沿って正確に作業を進めます。指示内容にミスがあった場合も、途中で止まることなく作業を続けるため、誤った処理が実行されるリスクがあります。一般的なRPAは自己判断ができず、ミスに気付かないため、正確なシナリオ設定が重要です。
作業を指示する前にテストを実施して、問題がないかを確認しましょう。また、定期的に処理内容のメンテナンスを実施することで、指示内容に誤りがないかを確認できます。
RPAを活用してDXを成功させるポイント
RPAの活用によってDXを成功させるための重要なポイントを4つ解説します。
自社に合ったRPAツールを選定する
RPAの導入にあたっては、自社に適したツールを選定しましょう。RPAを操作する担当者や、今後の事業展開によって、最適なツールは変わります。必要な機能がなかったり、過剰な機能が搭載されていたりすると使い勝手が悪く、DXをスムーズに進められません。使いやすさや機能性、運用コストなどを考慮し、自社に最も適したツールを選ぶことが重要です。
スモールスタートで導入する
RPAを活用したDXは、身近なところから徐々に着手する「スモールスタート」で導入しましょう。いきなり大きな処理をRPAに任せると、トラブルが発生した場合に、対応がしにくくなります。特定の業務や個人のタスクなど、簡単な作業から自動化を進めましょう。段階的に導入すると失敗のリスクが少なく、より効果的に自動化を進められます。
費用対効果を計算する
DXにおいてRPAを活用する場合は、費用対効果を計算しましょう。また、導入した場合の効果検証も不可欠です。作業時間や工数だけではなく、精神的な負担や顧客満足度なども含めた幅広い観点から、効果を検証しましょう。
RPAツールを扱える人材を育成する
DX推進でRPAを導入する場合、RPAツールを扱える人材の育成も重要です。効率的に活用したり、トラブルが発生した時に対応したりするには、RPAの知識を有する人材の存在が不可欠です。またRPAの担当者は1人ではなく、チームを作っておくと、素早く対応できます。
まとめ
RPAとは自動化を実現するツールを指し、DXはデジタル技術によって業務全般を変革することです。DX化の実現手段のひとつとしてRPAを利用するためには、自社に適したRPAツールの選定や、スモールスタートでの導入が重要です。
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