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バックオフィスDXは、総務や人事、経理などの業務をデジタル化して、業務効率や生産性を向上させます。企業の人材不足や2025年問題など、さまざまな課題を解決するためにも有効です。この記事では、バックオフィスDXの概要やメリットなどを解説します。導入の手順やポイントも解説するので、ぜひ参考にしてください。
バックオフィスDXとは
バックオフィスDXは、管理部門の業務にデジタル化を活用することです。バックオフィスは、総務や人事、経理など、顧客とやり取りをしない業務を指します。いずれも、直接利益につながる業務ではありませんが、企業にとって重要な役割を担います。
バックオフィスの業務には、定型業務や属人的なプロセスが多いため、デジタルのテクノロジーの活用が必要です。バックオフィスDXを通して、業務効率化や生産性向上などを実現できます。
DXとは
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、企業や組織、業務などをデジタル技術によって変革することです。社会や顧客のニーズに合わせて、業務プロセスやビジネスモデルを変革し、競争力を高める目的があります。DXの対象はバックオフィスだけでなく、全社の事業すべてが含まれます。バックオフィスDXは、DXの活動の一部です。総務や経理、法務などをデジタル技術によって変革することで、企業の競争力を高められます。
バックオフィスDXが求められる背景
バックオフィスDXは、社会的な課題を解決するために必要な取り組みです。ここでは、求められる背景を解説します。
多様な働き方への対応が求められている
昨今、テレワークをはじめとした多様な働き方が求められています。しかし、バックオフィスの業務は、出社が義務づけられるケースが多い傾向にあります。
バックオフィスのDX化を実現することで、オンライン上で業務の対応が可能です。従来の働き方のように出社する必要がなくなり、従業員は柔軟な働き方ができます。働く場所に依存しなくなるため、世界中どこにいても勤務できる体制の構築にもつながるでしょう。
「2025年の崖」問題を解決する必要がある
「2025年の崖」は、老朽化した基幹システムが起こす問題のことです。複雑化やブラックボックス化したシステムを利用することで、1年あたり最大12兆円の経済損失が起こると予想されています。企業の問題を解決するために、バックオフィスDXの必要性が高まっています。
しかし、多くの企業は、DXを推進する方法や具体的な進め方などを理解できていません。DXは言葉の意味や重要性を正しく理解し、施策を実行することが大事です。
慢性的に人手不足となっている
バックオフィスは利益に直結しない業務なため、優先されにくい傾向にあります。人員の補充や拡充などが後回しにされることで、慢性的な人手不足につながっています。企業のなかには、少ない人員で業務を回したり、他の業務と兼任したりするケースもあるでしょう。
人手不足によって業務負担が増えると、ミスや残業などの増加につながります。業務効率を改善するには、バックオフィスDXの導入がおすすめです。
バックオフィスDXの導入による6つのメリット
バックオフィスDXの導入によって、企業全体によい影響を与えます。ここでは、6つのメリットを解説します。
1.業務効率化が期待できる
バックオフィスDXによって、業務効率化の実現が期待できます。たとえば、ITツールを導入して業務をデジタル化することで、作業の工数を削減可能です。利益につながる商品やサービスなどのコア業務に注力でき、生産性や品質向上などにつなげられるでしょう。
バックオフィスの業務はアナログ的な要素が強いため、DXによる改善の余地が大きい傾向にあります。勤怠管理ツールやクラウド型会計システム、電子契約システムなどを導入し、DXを推進するとよいでしょう。
2.コスト削減につながる
バックオフィスDXを導入すると、さまざまなコスト削減が可能です。たとえば、ペーパーレス化によって、紙代や印刷費用などを抑えられます。業務の省略化にもつながるため、残業代をはじめとした人件費の削減もできます。
ツールやシステムなどを導入する際は、コストがかかる点には注意が必要です。しかし、DXの効果は、デジタル技術が発展とともに高くなるため、長期目線で考えて利益につなげましょう。
3.多様な働き方が実現できる
紙をベースにした業務をデジタル化することで、従業員の多様な働き方を実現できます。たとえば、オンライン上での押印や捺印、署名などの対応によって、在宅ワーカーを雇用できます。法令に適合したツールやシステムを利用すると、バックオフィスDXを推進できるでしょう。
ライフステージに合わせて働き方を調節することで、多様な人材の確保にもつながります。優秀な人材の獲得もできるため、多様な働き方を実現できるメリットは大きいです。
4.業務の正確性が向上する
デジタル技術を活用すると、業務の正確性が向上します。機械による作業は人よりもミスが少なく、業務の質が向上するためです。ミスが損失につながる業務のデジタル化によって、他社からの評価も高まるでしょう。
お金や個人情報などを扱う業務は、重要性の高いものです。ミスが発生するリスクを抑えて、正確性を担保する必要があります。デジタル技術によって作業の自動化を進めて、ヒューマンエラーを防止することが大事です。
5.業務の属人化を防げる
バックオフィス業務には、専門的な知識が求められます。業務が属人化しやすいため、担当者がいない場合に問題の発生につながります。人手不足の職場だと、休職や退職などによって業務が滞るリスクが高まるでしょう。企業はバックオフィスDXを導入し、業務の標準化を実現することをおすすめします。たとえば、マニュアルをデータ化することで、引き継ぎがスムーズになり、業務の継続性が向上するでしょう。ITツールはフォーマットを利用できるため、新入社員でも簡単に扱えます。
6.従業員満足度が向上する
バックオフィスDXを導入した企業は、従業員満足度が向上します。業務負担の軽減や働きやすさの向上などによって、ストレスの軽減につながるためです。また、多様な働き方の実現により、プライベートとの両立も可能です。柔軟な働き方ができることで、離職率の低下や優秀な人材の確保にもつながります。
バックオフィスDXを実現させる手順
バックオフィスDXを実現させるには、目的の明確化や社内の体制構築などが必要です。ここでは、導入の手順を解説します。
1.目的を明確にする
バックオフィスDXを導入するには、目的を明確にしましょう。たとえば、業務効率化や働く環境の整備、データを活用した意思決定の迅速化などです。デジタルツールの導入を目的にせずに、DXの手段として活用する必要もあります。経営陣と従業員のどちらも同じ目的をもって、企業の変革を促すことが大事です。
2.社内の業務を棚卸しする
目的を明確にした後は、社内の業務を棚卸ししましょう。業務のプロセスやシステムを分析し、自社の課題を特定します。たとえば、プロセスの非効率な部分や業務の属人化などの課題を特定して、DX化を推進しましょう。現行のプロセスを可視化し、DX導入の効果を最大限に高める必要があります。
3.社内の体制を整える
バックオフィスDXには、人材の確保や社内の体制を整備することが必要です。効率的な業務を行うために、システム開発やデータ分析など、専門的なスキルをもつIT人材が求められます。人材の確保が難しい場合は、外部の専門家に依頼することをおすすめします。
DXを導入する際は、情報漏洩や不正アクセスなど、セキュリティのリスクを対策する必要もあります。企業のデータや個人情報を守るために、データ管理の体制を構築しましょう。
4.優先順位をつけ導入を進める
バックオフィスDXは、優先順位を決めて導入しましょう。すべての業務をDX化するには時間がかかるため、優先する業務を選定する必要があります。DXの実現性やメリットなどを考慮して、優先度を見極めることが大事です。まずは一部の業務をDX化するために、スモールスタートを推奨します。
5.PDCAサイクルを回す
バックオフィスDXは、継続して改善する必要があります。PDCAサイクルを回して、効果の検証と改善を繰り返しましょう。短期的な効果を期待せずに、中長期的な取り組みを実施することが大事です。DXの効果を最大限に高めるために、PDCAサイクルの調節も必要です。従業員のフィードバックを活用し、体制の変更にも柔軟に対応しましょう。
バックオフィスDXを進めるためのポイント
バックオフィスDXの推進は、ツール・システムの選定が大事です。ここでは、バックオフィスDX推進のポイントを解説します。
自社に合ったツール・システムを慎重に検討する
バックオフィスDXに使用するツールやシステムは、慎重に検討しましょう。業務効率化やコスト削減など、企業によって導入の目的や現状の課題が異なるためです。自社のニーズに合わせて、適切なツールやシステムを比較してください。操作性も考慮して、扱いやすいものを選ぶことも大事です。ツールやシステムを使用する現場担当者の意見を聞き、日常業務の効率化につなげる必要があります。
経済産業省の「DX推進指標」を活用する
経済産業省の「DX推進指標」とは、DX推進に関わる関係者の認識をすり合わせるものです。取り組みのフェーズに合わせて、以下3つの活用方法があります。
- DX関係者の認識の共有
- DXを実現するためのアクションの議論
- 継続的な評価と進捗管理
「DX推進指標」は、バックオフィス業務の課題を特定し、目指すべきゴールを実現できるように設計されています。自社のDX取り組み状況を0〜6段階で診断ができ、現状や課題に対する共通認識、必要なアクションに気付くためにも役立てられます。
参考:DX推進指標|経済産業省
まとめ
バックオフィスDXとは、総務や経理、人事などの業務にデジタル技術を活用することです。コスト削減や多様な働き方が実現できるため、バックオフィスの業務効率化に有効です。ただし、自社の目的や課題に合わせて、適切なツールやシステムを選ぶ必要があります。
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