こんにちは。BPOサービスを提供するカンテックのライターチームです。スキャニング業務は、紙で保管している書類や資料をデータ化し、保管、管理することです。この記事では、スキャニング業務の事前準備や注意点、スキャニングサービスの選び方などを解説します。
- スキャニング業務とは
- スキャニング業務に使うスキャナーの種類
- フラットベッドスキャナー
- ADFスキャナー
- ドキュメントスキャナー
- オーバーヘッドスキャナー
- スキャニング業務が必要とされる背景
- スキャニング業務の事前準備
- 書類をスキャニングする際の注意点
- スキャニング業務をスムーズに進めるポイント
- 書類をスキャニングする方法
- スキャニングサービスの選び方
- まとめ
スキャニング業務とは
スキャニング業務とは、紙の書類や資料を電子データに変換する作業を指します。具体的には、契約書、請求書、領収書、報告書などさまざまな種類の書類をスキャンしてデジタル化し、効率的に保管・管理することが目的です。
デジタル化により、書類の検索や共有が容易になり、業務効率の向上やペーパーレス化の推進につながります。また、スキャンしたデータはクラウド上に保存することも多く、遠隔地からのアクセスやバックアップ体制の強化も可能です。
スキャニング業務に使うスキャナーの種類
スキャニング業務に使うスキャナーの種類を解説します。
フラットベッドスキャナー
平面上に原稿を配置し、スキャニングするタイプのスキャナーです。写真やグラフィックなど、さまざまな種類の読み取りに向いており、一般ユーザー向けに多く普及しています。その一方で、1枚ずつしかスキャニングできないため、読み取り作業に一定時間を要する点はデメリットです。
ADFスキャナー
ADFスキャナーは、原稿を自動で順番に送りながらスキャンできる機能を持っています。これにより、大量の書類を効率的にスキャニングできるのが特徴です。なお、高性能なADFスキャナーはプラスチックカードや封筒、薄い紙も読み取ることが可能です。
ただし、新聞紙ほどの大きさの紙や、厚みがある書類、曲がっているもの、濡れているものなどは自動給紙機能が対応できず、手動でのスキャンが必要になります。
ドキュメントスキャナー
大量の書類を高速でスキャニングできる、両面スキャニングができるなどの特徴を持つスキャナーです。先述したフラットベッドスキャナーやADFスキャナーと比べると、解像度や色の再現度は劣る場合があります。また、機器自体が高価なこともデメリットといえます。
オーバーヘッドスキャナー
原稿をデスクなどに平置きし、上からスキャンするタイプの非接触スキャナーです。机上に置く電気スタンドに似た形状からスタンドスキャナーと呼ばれることもあります。雑誌の見開きページや厚みのある書籍を断裁せずにそのまま読み取れます。また、クレヨン・絵の具で描いた絵や鉛筆書きのノートのように表面に触れたくない原稿、大型の図面や歴史資料などの破損の恐れや傷つきやすい原稿も紙面に触れずに読み取ることができます。
スキャニング業務が必要とされる背景
スキャニング業務が重要視される背景には、DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速があります。DXを効率的に進める上で、データを活用することは不可欠です。そのため、紙の書類を電子データに変換し、管理や共有をスムーズに行える環境を整える必要があります。
書類をデジタル化すれば、必要な情報に簡単にアクセスでき、業務の効率化が図れます。また、AIによるデータ解析や自然言語処理を活用すれば、顧客情報や取引内容、契約条件などの重要な情報を抽出することも可能です。
さらに、紙の使用量を減らすことで環境負荷の軽減にもつながるため、こうした理由からスキャニング業務の重要性が高まっています。
スキャニング業務の事前準備
スキャニング業務を進めるにあたり、事前の準備が重要です。3つの手順で準備を進めましょう。
電子化したい書類を選定する
電子化に適した書類の例として、以下が挙げられます。
- 名刺
- 申込書、請求書などの書類
- 図面やマニュアルなどの技術資料
これらの書類の中から電子化する対象を選ぶ際は、閲覧頻度の高さだけでなく、保存期間や管理方法に関する法令・規制を十分に考慮し、優先順位を決めることが重要です。
ホチキスやクリップなどがついていれば外す
電子化する書類を選んだら、原本にホチキスやクリップ、ふせんなどがついたままになっていないかを確認します。これらがついたままスキャニングすると、原本が破損したり、書類や文字をうまく読み取れなかったりすることがあります。
データの形式・保存方法を選ぶ
書類の前処理が終了したら、データ形式を決めます。一般的なデータ形式として、以下が挙げられます。
- TIFF
- JPEG
- PNG
データ形式を選んだら、続いてカラーと解像度、データの保存方法、保存場所を決めます。保存時にはファイル名の付け方やフォルダ構成を統一し、後で検索しやすいように工夫することが大切です。保存先としては、専用システムやクラウドストレージが一般的で、利便性やセキュリティ面を考慮して適切なものを選びましょう。
書類をスキャニングする際の注意点
書類をスキャニングする際は、セキュリティ面に注意が必要です。具体的に気をつけるべき点を3つに分けて解説します。
USBメモリは使わない
機密情報や個人情報を含む書類を扱う際、USBメモリの紛失や盗難による情報漏えいのリスクは非常に高くなります。また、USBメモリがウイルスに感染している場合、それを知らずに持ち帰ることで社内のパソコンにウイルスが広がる危険性もあります。
こうしたリスクを避けるため、USBメモリの使用は控えましょう。スキャニングしたデータは、パソコンやクラウドに直接送信し、安全に管理することをおすすめします。
企業が定めたセキュリティポリシーに従う
スキャニング作業は、必ず企業が定めたセキュリティポリシーに沿って実施しましょう。許可されていない方法でのスキャニングは情報漏えいのリスクを高め、万が一事故が起きると企業の信頼を大きく損なう可能性があります。
情報管理や保管に関するルールやガイドライン、セキュリティ基準を厳守することが重要です。もしルールや基準が不明確な場合は、上司や担当部署、専門部門に必ず確認・相談してください。
共有先を注意深く選定する
スキャニングした書類を共有する際には、セキュリティを考えた対応を意識しましょう。誤ってSNSに投稿したり、関係者以外に共有したりしないよう、セキュリティ対策ができる共有先を選定することが重要です。
なお、外部のパートナーや顧客とは、契約書やNDA(機密保持契約書)などを取り決め、適切な権限管理を行いましょう。
スキャニング業務をスムーズに進めるポイント
スキャニングには手間や時間がかかります。ここでは、スムーズにスキャニング業務を進めるポイントを解説します。
工程ごとに分業する
スキャニング業務には、前処理、画像検索、ファイル名の変更などさまざまな工程があります。各工程に対応できる人数が複数いる場合は、分業して作業範囲を減らすことで、スピード感をもってスキャニングを進められます。
1人で作業を進めなくてはならない場合も、工程ごとに分業することで効率よく進められるでしょう。また、ファイル名の変更は、入力の専門業者へ委託することで、社内のリソースを削減することも可能です。
業務にかける時間を事前に決めておく
本来の業務と並行して、スキャニング業務を進めなくてはならない場合もあるでしょう。しかし、本来の業務との掛け持ちは上手く進みません。時間や期間をあらかじめ決めたうえで、スキャニング業務に着手しましょう。その際、どこまでスキャニング業務を進めるか、計画を立てることが重要です。
ファイル名付与のルールを決めておく
スキャニングしたデータを保存するファイルの名前は、検索しやすいようにルールを決めておくことが重要です。ファイル名が統一されていないと、ファイルの中身がわからないうえ、検索しても必要とするファイルにたどり着けません。曖昧なファイル名はつけず、どれが必要なファイルかがすぐに判定できる名前をつけましょう。
書類をスキャニングする方法
書類をスキャニングする方法として、おもにオフィス複合機を使う場合とスキャナー専用機を使う場合があります。それぞれ特徴が異なりますが、基本的な手順は以下のとおりで、変わりません。
- 本体の電源を入れる
- 書類を原稿台に乗せる
- カラーや解像度、ファイル形式を選ぶ
- スキャニングの方法を選択する
- スキャニングを実行する
- ファイルの保存先を指定する
オフィス複合機の場合
オフィス複合機はコピーやプリンタといった複数の機能が搭載されています。自動原稿送り機能が搭載されたものであれば、ファイル形式やスキャニングの方法などを設定するだけで、大量の書類を一度にスキャニングできます。
スキャナー専用機の場合
スキャナー専用機は、紙文書のスキャニングに特化した専用機です。例えば、「シートフィードスキャナー」は、名刺ほどの小さなサイズから、新聞紙ほどの大きなサイズまで同サイズでスキャニングが可能です。また「スタンドスキャナー」は、カメラで撮影するようにスキャニングを行います。
「ハンディスキャナー」の場合は、手に持ったままスキャニングが可能です。
スキャニングサービスの選び方
スキャニング業務に時間を掛けられない場合もあるでしょう。特に、大量の資料や書類をスキャニングする必要がある場合、時間がかかります。その際、スキャニングサービスを利用する方法があります。ここではスキャニングサービスの選び方について解説します。
サービスの種類から選ぶ
スキャニングサービスには、大きく分けて「オンサイトスキャニング」と「オフサイトスキャニング」の2つがあります。それぞれの特徴は以下のとおりです。
- オンサイトスキャニング:直接オフィスに訪問して、スキャニングを行う
- オフサイトスキャニング:専門業者の指定する施設でスキャニングを行う
オンサイトスキャニングでは、高いセキュリティが必要な場合や書類を持ち出せない場合に適しています。一方、オフサイトスキャニングは、大量の書類をスキャニングしたいときやコストを抑えたいときにおすすめです。
対応文書の種類から選ぶ
スキャニング業者を選ぶ際は、対応可能な文書の種類を確認することが重要です。特に以下のような書類は、機密性やサイズの関係で対応が制限される場合があります。
- 契約書類:機密性が高いため、電子化の可否や管理体制を必ず確認しましょう
- 技術資料:サイズや形状が特殊な場合、スキャン可能か事前に確認が必要です
こうした対応文書の種類を基準に選ぶことで、自社のニーズに合った業者を選択しやすくなります。
セキュリティ対策から選ぶ
スキャニングする書類に機密情報や個人情報が含まれている場合、データの保存や取り扱いには特に注意が必要です。十分なセキュリティ対策が施されているかを必ず確認しましょう。具体的には、データの暗号化やアクセス制御があるか、個人情報保護法やGDPRなどの関連法令を遵守しているか、「プライバシーマーク」の取得状況も確認ポイントです。
費用から選ぶ
スキャニングサービスの料金体系や追加オプションの費用などを総合的に鑑みて、どのスキャニングサービスを選ぶかを決めましょう。中長期的な観点で、スキャニングサービスを導入した際に、どれだけコストを削減できるかを考えて、最適なサービスを選びます。
なお、一般的にスキャニングサービスの料金は、書類の量やサイズ、解像度などによって異なります。複数のサービスから見積もりを取って比較しましょう。
オプションサービスの有無と内容から選ぶ
スキャニングサービスでは、基本的なスキャニング業務に加えて、さまざまなオプションサービスを提供しています。オプションサービスのなかには、利用することでさらに業務効率化が期待できるものもあります。オプションサービスの例として、以下が挙げられます。
- 原稿が保管されている倉庫を整理する
- 書類についたホチキスを取り外す
- 封筒から取り出す
- スキャニングした元原稿を外部倉庫への移管する
まとめ
スキャニング業務とは、紙の書類や資料を電子データに変換し、効率的に保管・管理する作業です。これにより検索性や共有性が向上し、業務効率化やペーパーレス化が促進されます。スキャニングサービスを選ぶ際は、業務の種類やセキュリティ対策、費用などを考慮してサービスを選ぶことが重要です。
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