弊社は、創業より50年以上に渡り『入力業務』を行っております。
長きに渡り続けていくために、多種多様なお客様のご要望に沿い、速く精度の高いデータを納めるよう努めてきました。
そこで今回は、創業から現在に至るまでの『入力業務』の移り変わりについて、お話させていただきます。
パンチカード
創業当初、弊社ではパンチカードによる入力を行っていました。
パンチカードとは、1枚12段・80行の紙で出来た専用カードのことです。
この専用カードに、穿孔機とよばれる入力機で、情報に沿って穴を開けることでデータを作成します。パンチカードによるデータ処理システムは、PCS(P=Punch C=Card S=System)と呼ばれ、データ作成をするための手段として、一般的な方法であり主流でした。
PCSは、機械が処理できる形のデータを大量に作成できる点が特徴であり、コンピューターの発明と時を同じくして、PCSのパンチカードは、プログラムデータ及び情報データの入力装置として使われるようになりました。
穿孔されたカードの情報は、プログラミングされたコンピューターを通すことで、電子化されます。
磁気テープ(MT)
PCSでは、パンチカードが入力の媒体であり出力結果を示す媒体でもあります。そのため、一度穿孔に失敗すると新たに別のパンチカードに打ち直さなければならない難点があり、何度か機器のバージョンアップが行われました。
しかし結局、大量のカードの取り扱いに労力を費やされる等のデメリットは解消されず、より使い勝手の良い磁気テープ(MT)の使用が増えていきました。
磁気テープ(MT)とは、電磁化されたテープがリール状に巻かれた媒体のことです。8ミリビデオテープと同じような形状をしており、大・中・小リールの3種類あります。データを記録できる容量の大きさから記録媒体として、データのバックアップ保管用にも利用されていました。
キーツーディスク
出力媒体の変化に伴い、入力機も変化していきました。
パンチカードを使用した入力からキーツーディスクと呼ばれる電子入力機が出現しました。パンチカードでは80バイトだったデータ量が、キーツーディスクでは、128・256・512バイトへと情報量が増加しました。
そして入力機のシステムとして根本的に違うのは、PCSではオペレータ毎に独自の入力フォーマットを作成・使用し、カード一枚単位の出力なのに対し、キーツーディスクでは全オペレータが同じフォーマットを使用し、入力されたデータはすべてディスクに保存されるという点です。ディスクに保存されるため、データの出し入れが自由にでき、誤入力しても打ち直しが簡単に何度でも出来ることが大きな強みです。
このキーツーディスクを利用し入力したデータを、磁気テープ(MT)に書き出し納品するという運用が入力業界のスタンダードとなりました。
そして時を経て情報処理技術が進み、PCでのファイルの取り扱いが容易に行えるようになり、テキストファイル等の電子データそのものが納品物へと変化していきました。
イメージ入力
入力方法に関しても大きな変革がありました。
データ入力とは、帳票を参照しながら専用のキーボードで入力すること(「原本参照入力」)と同義でしたが、入力画面を分割して片方は帳票イメージ、もう片方は入力フォーマットを表示させ、画面だけを見ながら入力する「イメージ入力」と呼ばれるシステムが出てきました。
原本輸送の手間がかからない・煩雑な原稿管理が不要・紙をめくる手間がない…など、多くの利点があるため「イメージ入力」は広く普及しました。
AI-OCR
現在は、「原本参照入力」「イメージ入力」に加え、「AI-OCR」の活用も行っております。
「AI-OCR」とは、イメージを読み取らせ文字データを抽出しデータ生成する「OCR」の仕組みをAI学習機能により読み込み精度を向上させる技術のことです。入力機を使用して人間が入力しなくても、データ生成できる技術が出てきています。
しかし、完全に「AI-OCR」だけでデータ生成するのは精度が気になるというお客様もいらっしゃいますので、【人間による入力データ】と【「AI-OCR」のデータ】を突合してデータ生成することで精度を高める工夫もしております。
以上の通り、『入力業務』の変遷をお話させていただきました。
長年に渡るお客様からの信頼と多種多様な業務経験、情報処理業界の技術進化とともに弊社も成長することができました。
そしてこれからも成長し続けられることを信じて邁進してまいります。