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書類の保管期間とは?書類保管が必要な理由・注意点・効率化する方法も解説

こんにちは。BPOサービスを提供するカンテックのライターチームです。企業は法律により定められた期間、さまざまな書類を保管する義務があります。保管期間は、書類によって異なるため、正確に把握し、適切に管理することが重要です。この記事では、書類保管の理由や注意点、効率化の方法についてわかりやすく解説します。参考にしてください。

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Contents
  1. 書類の保管が求められる理由
  2. 書類によって保管期間が異なる
    • 永久保管が必要な書類
    • 30年間の保管が必要な書類
    • 10年間の保管が必要な書類
    • 7年間の保管が必要な書類
    • 5年間の保管が必要な書類
    • 3年間の保管が必要な書類
    • 1~2年間の保管が必要な書類
  3. 書類保管における注意点
    • 書類紛失や情報漏洩のリスクがある
    • 不要な書類を破棄する必要がある
  4. 書類保管を効率化する方法
    • 電子保管に関するワークフローを自動化する
    • 文書管理システムを導入する
    • 外部の書類保管サービスを活用する
  5. まとめ

書類の保管が求められる理由

企業では、会社法や税法などにより、保存期間が定められた書類があります。これらの書類は、日常的に使用する頻度は低いものの、過去のデータを参照する必要が生じたときや、監査対応時などに確認できるようにしておく必要があります。

年度や書類の項目ごとに書類を分類し、すぐに取り出せるよう整理・保管しておくことが重要です。適切に管理することで、必要なときに迅速に対応でき、業務のスムーズな遂行につながります。

書類によって保管期間が異なる

書類は、種類や性質に応じて保管期間が異なります。以下で、保管期間別に解説します。

永久保管が必要な書類

永久保管が必要な書類は、以下の通りです。

  • 定款
  • 株主名簿、端株原簿、新株予約権原簿、株券喪失登録簿、社債原簿
  • 官公庁への提出文書、官公署からの認可書・許可書、通達などに関する書類
  • 登記・訴訟関係書類(権利証など)
  • 知的所有権に関する関係書類(登録証や特許証、登録料・特許料の受領書など)
  • 効力の永続する契約に関する文書
  • 重要な権利や財産の取得や喪失に関わる文書
  • 社規・社則および通達文書 など

※参考:e-Gov 法令検索「会社法」

30年間の保管が必要な書類

30年間の保管が必要な書類は、以下の通りです。

  • クロム酸等を扱う作業場の評価記録および空気中濃度の測定記録 作成日
  • 特定化学物質健康診断個人票
  • 特別管理物質を扱う労働者の作業記録
  • 緊急時電離放射線健康診断個人票
  • 電離放射線量の測定結果
  • 廃棄物焼却施設における労働者の血中ダイオキシン類濃度測定結果
  • 廃棄物焼却施設における空気中のダイオキシン類濃度測定結果
  • 解体対象設備の汚染物のサンプリング調査記録 など

※参考:e-Gov法令検索「特定化学物質障害予防規則」
※参考:e-Gov法令検索「電離放射線障害防止規則」
※参考:廃棄物焼却施設内作業におけるダイオキシン類ばく露防止対策について

10年間の保管が必要な書類

以下は、10年間の保管が必要な書類です。

  • 株主総会議事録 (本店の備置き分。支店の備置き分は謄本を5年間保存)
  • 監査役会議事録
  • 取締役会議事録
  • 委員会議事録 (監査委員会、指名委員会)
  • 法人における会計帳簿と事業に関する重要書類(総勘定元帳、各種補助簿、株式申込簿など)
  • 法人における計算書類と明細書(貸借対照表(B/S)、損益計算書(P/L)、株主資本等変動計算書など) など

※参考:No.5930 帳簿書類等の保存期間|国税庁
※参考:e-Gov 法令検索「会社法」

7年間の保管が必要な書類

7年間の保管が必要な書類は、以下の通りです。

  • 取引に関する帳簿書類(仕訳帳、現金出納帳、固定資産台帳など)
  • 決算に関する作成書類(総勘定元帳など)
  • 決算に関する作成書類(貸借対照表、損益計算書、棚卸表など)
  • 現金取引などに関して作成または受領した証憑書類(注文書、契約書、領収書など)
  • 取引証憑書類(請求書、注文書、契約書など)
  • 有価証券の取引に関して作成された証憑書類(有価証券受渡計算書、有価証券預り証、売買報告書など)
  • 課税仕入れなど税額の控除に関する帳簿および請求書
  • 課税仕入れなど税額の控除に関する帳簿および請求書
  • 給与所得者の源泉徴収に関する申告書(給与所得者の扶養控除等(異動)申告書、従たる給与についての扶養控除等(異動)申告書など)
  • 資産の譲渡等または課税仕入れもしくは課税貨物の保税地域からの引き取りに関する帳簿
  • 源泉徴収簿 など

※参考:No.5930 帳簿書類等の保存期間|国税庁
※参考:記帳や帳簿等保存・青色申告|国税庁
※参考:個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について|国税庁
※参考:事業所得や不動産所得等のある方は帳簿への記帳や帳簿書類の保存が必要です!|国税庁
※参考:e-Gov法令検索「法人税法施行規則」
※参考:e-Gov法令検索「所得税法施行規則」
※参考:e-Gov法令検索「国税通則法」

5年間の保管が必要な書類

以下は、5年間の保管が必要な書類です。

  • 事業報告書
  • 有価証券報告書(各添付書類と訂正届出書)
  • 有価証券報告書の記載内容にかかる確認書(訂正確認書)
  • 産業廃棄物処理に関する委託契約書
  • 産業廃棄物管理票(マニフェスト)の写し
  • 従業員の身元保証書・誓約書
  • 長時間労働に関する面接指導の結果記録
  • 各種健康診断個人票
  • 面接指導の結果記録
  • 会計監査報告書
  • 監査報告書
  • 会計参与による附属明細書
  • 会計参与による計算書類
  • 会計参与報告 など

※参考:e-Gov 法令検索「会社法」
※参考:e-Gov法令検索「金融商品取引法」
※参考:e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」
※参考:e-Gov法令検索「昭和八年法律第四十二号(身元保証ニ関スル法律)」
※参考:e-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則」

3年間の保管が必要な書類

3年間の保管が必要な書類は、以下の通りです。

  • 四半期報告書(訂正報告書)
  • 半期報告書(訂正報告書)
  • 労働者名簿
  • 賃金台帳
  • 雇入れに関する書類(雇入決定関係書類、契約書、労働条件通知書など)
  • 退職に関する書類(退職届、退職手当の領収書など)
  • 解雇に関する書類(解雇決定関係書類、解雇予告除外認定関係書類など)
  • 災害補償に関する書類(診断書、補償金支払請求書など)
  • 賃金その他労働関係に関する重要な書類(賃金決定関係書類、労使協定書、昇給・減給関係書類等など)
  • 労災保険に関する書類(給付請求書、賃金台帳、領収書など)
  • 年次有給休暇管理簿
  • 労働保険料に関する書類(労働保険料等納付証明書、労働保険料等算定基礎賃金等の報告など)
  • 派遣先管理台帳
  • 派遣元管理台帳
  • 各委員会の議事録
  • 労働安全衛生法・同施行令・労働安全衛生規則に規定される機械について行う定期自主検査の記録
  • 雇用する労働者が障害者だと明らかにできる書類(身体障害者手帳の写し、療育手帳の写しなど) など

※参考:e-Gov法令検索「労働基準法」
※参考:e-Gov法令検索「労働基準法施行規則」
※参考:e-Gov法令検索「労働者災害補償保険法施行規則」
※参考:e-Gov法令検索「労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則」
※参考:e-Gov法令検索「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」
※参考:e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」
※参考:e-Gov法令検索「労働安全衛生法」
※参考:e-Gov法令検索「労働安全衛生法施行令」
※参考:e-Gov法令検索「障害者の雇用の促進等に関する法律施行規則」
※参考:e-Gov法令検索「障害者の雇用の促進等に関する法律」
※参考:e-Gov法令検索「金融商品取引法」

1~2年間の保管が必要な書類

以下は、1〜2年間の保管が必要な書類です。

  • 雇用保険に関する書類(雇用保険被保険者関係届出事務等代理人選任・解任届、雇用保険被保険者資格取得等確認通知書など)
  • 健康保険・厚生年金保険に関する書類(資格喪失確認通知書、資格取得確認通知書、被保険者標準報酬決定通知書など)
  • 自己株券買付状況報告書(訂正報告書)
  • 臨時報告書(訂正報告書) など

※参考:e-Gov法令検索「雇用保険法施行規則」
※参考:e-Gov法令検索「健康保険法施行規則」
※参考:e-Gov法令検索「金融商品取引法」

書類保管における注意点

書類を保管する際には、気をつけるべき点があります。以下で、2つの注意点について解説します。

書類紛失や情報漏洩のリスクがある

書類をオフィスに置いておくと、無人の時間帯に外部の人間に持ち出されるなど、紛失や情報漏洩のリスクが高まります。特に、担当者の机上や開放された棚など、誰でも容易にアクセスできる場所で保管されているケースでは、管理体制の甘さがセキュリティの脆弱性につながります。

かといって、鍵付きの棚などを使うと、管理者が不在の場合に書類の取り出しが困難になり、業務の妨げとなる可能性があります。書類の重要度に応じた保管方法を整備し、リスクを最小限に抑えましょう。

不要な書類を破棄する必要がある

不要な書類は、保存期間を過ぎた時点ですみやかに廃棄することが重要です。定期的に処分すれば、保管スペースを削減でき、必要な書類の整理や検索もしやすくなります。特に機密性の高い書類は、セキュリティを確保するために専門業者へ廃棄を依頼すると安心です。

書類保管を効率化する方法

書類を保管する際に、効率的に行う3つの方法を解説します。

電子保管に関するワークフローを自動化する

属人化を防ぐため、書類作成から保管までの流れをマニュアル化することが効果的です。特に電子保管のワークフローを自動化すれば、保管先の迷いを減らし情報の散逸を防げます。また、一元管理できれば検索もしやすくなります。

文書管理システムを導入する

文書管理システムの導入もおすすめです。社内書類や契約書の作成から管理・保管まで、一元的に行えます。また、システムを使うことで書類の保管フローが整理され、管理がより簡単になります。

外部の書類保管サービスを活用する

大量の書類は社内での保管に限界があるため、外部の保管サービスを利用するのが効果的です。整理した書類を箱に入れて預けるだけで、指定した期間、安全に保管してもらえます。これにより、書類をまとめて管理でき、管理作業が効率化します。

まとめ

書類の保管は、法律で定められた義務を果たすだけでなく、業務の効率化や情報漏洩リスクの低減にもつながる重要な業務です。保管期間を正しく把握した上で、電子化や文書管理システム、外部保管サービスなどを活用すれば、スペースの有効活用や検索性の向上にも効果があります。自社に合った体制を整え、安全で効率的な管理を実現しましょう。

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